ID番号 | : | 01199 |
事件名 | : | 未払賃金等請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 茨交大洗タクシー事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 変形労働時間制に当たらないとして、時間外割増賃金の支払を求めた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法32条の2 |
体系項目 | : | 労働時間(民事) / 変形労働時間 / 一カ月以内の変形労働時間 |
裁判年月日 | : | 1981年11月5日 |
裁判所名 | : | 水戸地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和54年 (ワ) 235 |
裁判結果 | : | 一部認容、一部棄却 |
出典 | : | 労経速報1103号3頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 山口浩一郎・労働経済判例速報1118号18頁 |
判決理由 | : | 労基法三二条一項は、使用者は労働者に対し、休憩時間を除き一日について八時間、一週間について四八時間を超えて労働させてはならないと定め、これに違反して使用者が労働者を使用した場合は、仮に労働者がすすんで就業したとしても三二条違反として処罰の対象となる(労基法一一九条)。労基法の右の規定が、長時間労働による健康破壊等から労働者を保護するためのものであることは明らかであるところ、同条二項は、いわゆる変形労働時間制の定めについて規定し、一項の原則の例外を認めているが、これは、特別の要件を満たした場合に限り、労働時間の制限の緩和を認めようとするものであるから、その要件は厳格に履践されていることを要すると解するのが相当である。 (中 略) 被告が変形労働時間制の定めであると主張する本件係争時の交番表はいずれも形式的に就業規則と一体となっているものではなく、またその内容においても、その一部は始業、終業時刻すら明記されておらず、かつその全部につき、四週間を平均して一週間の労働時間が四八時間を超えているのであるから、そのいずれも労基法三七条二項(変形労働時間制)の要件を満たしていないというべきである。 |