ID番号 | : | 01203 |
事件名 | : | 仮処分異議控訴事件 |
いわゆる事件名 | : | 全日本検数協会名古屋支部事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 冬期一時金獲得、不当労働行為反対、日韓条約粉砕の三要求を掲げてした時間外労働拒否闘争を指導したこと等を理由に解雇された組合役員らが、右解雇は過半数従業員を組織しない組合との三六協定に基づく時間外労働命令違反を根拠とし無効である等として地位保全等求めた仮処分異議事件。(原判決一部変更その他控訴棄却、一部労働者勝訴) |
参照法条 | : | 労働基準法36条 |
体系項目 | : | 労働時間(民事) / 三六協定 / 締結当事者 |
裁判年月日 | : | 1971年4月10日 |
裁判所名 | : | 名古屋高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和43年 (ネ) 839 |
裁判結果 | : | |
出典 | : | 労働民例集22巻2号453頁/タイムズ261号152頁 |
審級関係 | : | 一審/04312/名古屋地/昭43.10.21/昭和41年(モ)1112号 |
評釈論文 | : | 伊藤博之・教育委員会月報249号54頁/下井隆史・労働判例百選<第三版>〔別冊ジュリスト45号〕210頁/小西国友・労働法の判例〔ジュリスト増刊〕157頁 |
判決理由 | : | 前記認定のとおり一事業場たる被控訴人名古屋支部の労働者が二個の労働組合の組合員と未組織労働者とに三分され、各組合の組合員数がいずれも全労働者の過半数を占めるに至っていないが、両組合の組合員数を合算すれば過半数を占める場合において、使用者が各組合の代表者と相次いで同一期間内に適用すべき同一内容の時間外労働に関する協定を締結したときは、労働基準法第三六条所定の協定に関する労働者側当事者に関する要件を充足したものと解すべきである。 また同条所定の協定は必ずしも一個の協定書により締結される必要はなく、数個の協定書を合一して労働基準法施行規則第一六条所定の要件を充足するときは、右各法条に基づく有効な協定が存すると解するのを相当とするところ、前記認定の時間外労働・休日労働に関する協定および賃金協定中の各協定条項を併せてみるときは、右規則第一六条所定要件中労働者数に関する事項を除きその余の要件を充足していると解することができ、右規則中労働者数に関する事項については、右各協定の趣旨上右各協定が被控訴人名古屋支部の全従業員に効力を及ぼすものとして締結されたことは明らかであり、その数は各協定当事者において了知していたものと認めるべきであるから、右各協定書が労働者数に関する記載のみを欠くことを理由としてそのいわゆる三六協定としての効力を否定すべきものと解すべきではない。 |