全 情 報

ID番号 01252
事件名 残業手当請求事件
いわゆる事件名 横浜柩車事件
争点
事案概要  勤務内容の特殊性から労働時間が不規則であった従業員が、就業規則所定の勤務時間終了後の勤務は超過勤務であるとして超過勤務手当の支払を求めた事例。(請求認容)
参照法条 労働基準法37条,41条3号
体系項目 労働時間(民事) / 労働時間・休憩・休日の適用除外 / 監視・断続労働
裁判年月日 1969年3月27日
裁判所名 横浜地
裁判形式 判決
事件番号 昭和41年 (ワ) 1052 
裁判結果 認容
出典 時報571号84頁/タイムズ241号169頁
審級関係
評釈論文
判決理由  以上認定したところからすれば、原告X1は事務員として就業時間中は会社事務を担当し、就業時間外は電話番等の断続的勤務に従事していたものであるが、右就業時間外の勤務について労働基準監督署の労働基準法第四一条第三号所定の許可を受けていないこと後記認定のとおりであり、しかして、その勤務の実質が同法条の断続的労働にあたるとしても、同法条の許可のない限り就業時間外の労働に対する賃金については同法第三七条、同法施行規則第二〇条が適用されるものと解すべきである。
 会社において運転手である原告X2らが就業時間終了後輪番制により当直を実施し事務室の隣室にある当直室にいて、受注の場合に出庫して作業に従事していたことは当事者間に争いないところ、原告X2本人尋問の結果によれば、就業時間終了後(午後四時以後)も就業時間中と同様遺体搬送の業務に従事し、それが翌朝八時までに平均一回か二回あること(昼間は二回半位)、市内が多いけれどもときには千葉、埼玉、福島、下田、日光にまで遠出することもあり茅ケ崎に出勤したときは四時間から四時間半もの時間を要することが認められ、出働時間以外の時間も出働待機のためのいわゆる手待時間として労働時間に組み入れるのが相当である。
 してみれば、就業時間後の原告X2らの業務はいわゆる残業と目すべきであり、労働基準法第四一条第三号の「監視又は断続的労働」ということはできない。