ID番号 | : | 01291 |
事件名 | : | 懲戒処分無効確認等請求控訴事件 |
いわゆる事件名 | : | 熊本県教育委員会事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 教員の宿日直反対闘争に対する懲戒処分につき、宿日直を義務づける労働基準法施行規則二三条が憲法違反であるとして争われた事例。(消極) |
参照法条 | : | 労働基準法41条3号 労働基準法施行規則34条 |
体系項目 | : | 労働時間(民事) / 労働時間・休憩・休日の適用除外 / 宿日直 |
裁判年月日 | : | 1963年12月10日 |
裁判所名 | : | 福岡高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和37年 (ネ) 377 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 高裁民集16巻9号864頁/行裁例集14巻12号2196頁/時報372号40頁/教職員人事関係裁判例集3号21頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 四、次に控訴人等の主張する労働基準法第四一条第三号と同法施行規則第三四条、第二三条との関係、及び右二三条が違憲規則であるとの主張について判断する。 労働基準法(以下単に法という)第四一条第三号にいう「断続的労働に従事する者」とは実作業時間が比較的少なく、手持時間が多い業務を担当する者で、かかる業務を本務とする者のみならず他の業務を本務とする者が附随的に右業務を行う場合でも、それが過度の労働にならない限り、この者を「断続的労働に従事する者」と解すること原判決理由説示のとおりである。蓋し法第四一条第三号は断続的労働を本務とする者に限ってこれを適用する旨何等規定しておらず、他の業務を本務とする者が附随的に断続的労働を行う場合であっても、それが過度の労働になるか否かを行政官庁の具体的判断に委せ、もし過度の労働となると判断せられる場合は、法第四一条第三号の許可をしないことによって勤労者の人権を使用者から保護し得ることとしたのである。そこで右の許可申請手続について一つは規則第三四条がこれを定め、他は断続的労働のうち宿日直という特殊のものについて規則第二三条がその許可手続を定めていると解するのが相当である。尤も規則第二三条に「法第三二条の規定にかかわらず」と規定し、法第三二条のみ適用を排除するが如き規定をしているけれども、規則第二三条は法第四一条第三号を母体として規定せられたものであり、而も法第四一条は法第四章で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定の適用を排除しているのであるから規則第二三条に「法第三二条の規定にかかわらず」とあるからといって法第三四条第三五条の適用を排除しないと解すべきでない。結局規則第二三条は法第四一条第三号を母体として制定された手続規定に過ぎないものであって、何等違憲の規則ではない。 |