ID番号 | : | 01308 |
事件名 | : | 割増金等請求事件 |
いわゆる事件名 | : | すし処「杉」事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 飲食店の元店員が、勤務時間中に認められていた休憩時間は、完全に労働から離れる保障された時間ではなく賃金計算上勤務時間として扱われるべきものであったとして割増賃金等を請求した事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法32条,34条1項 |
体系項目 | : | 休憩(民事) / 「休憩時間」の付与 / 休憩時間の定義 |
裁判年月日 | : | 1981年3月24日 |
裁判所名 | : | 大阪地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和55年 (ワ) 5884 昭和55年 (ワ) 5885 |
裁判結果 | : | 一部認容、一部棄却 |
出典 | : | 労経速報1091号3頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 山口浩一郎・労働経済判例速報1118号17頁 |
判決理由 | : | 原告らの雇用条件のうち、勤務時間については、午後三時から翌日午前二時まで(ただし、原告X1においては昭和五五年六月二一日以降、原告X2においては同月一四日以降、いずれも年前一〇時三〇分から午後九時までに変更)、休憩時間については、午後一〇時頃から午後一二時頃までの間に客がいない時などを見計らって適宜休憩してよい、との約定であったものということができる。しかして、労基法三四条所定の休憩時間とは、労働から離れることを保障されている時間をいうものであるところ、原告らと被告との間の雇用契約における右休憩時間の約定は、客が途切れた時などに適宜休憩してもよいというものにすぎず、現に客が来店した際には即時その業務に従事しなければならなかったことからすると、完全に労働から離れることを保障する旨の休憩時間について約定したものということができず、単に手待時間ともいうべき時間があることを休憩時間との名のもとに合意したにすぎないものというべきである。 |