ID番号 | : | 01323 |
事件名 | : | 不当労働行為救済命令取消請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 朝日硝子工業事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 人員整理として行なわれた解雇につき、不当労働行為の成立を認めた労委命令の取消訴訟において、整理基準の出勤態度等に関連して、休日の特定、組合決議による休日出勤拒否等について判断した事例。(請求棄却) |
参照法条 | : | 労働基準法35条 |
体系項目 | : | 休日(民事) / 休日の概念・特定 労働時間(民事) / 法内残業 / 割増手当 |
裁判年月日 | : | 1956年6月15日 |
裁判所名 | : | 大阪地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和27年 (行) 9 |
裁判結果 | : | |
出典 | : | 労働民例集7巻3号494頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労働時間―法内残業―割増手当〕 しかし十一月七日が休日として定められていたこと、組合が会社に対する休日手当の交渉の過程で、組合の要求を拒否されたことに対する対抗策として会社の休日出勤の要請を拒否し、右七日の休日を確認し、同日出勤しないことを決議し、A、B等がこれに従って同日出勤しなかったものであることは、前に認定したところで明らかである。従って、七日の日に出勤しなかったことが、組合活動の一端として行われたことは明白であり、そして、単に会社が出勤を要求したというだけで、休日に休むことが労働契約の違反になるわけでもなく、また業務の正常な運営を阻害するものということはできないから、争議行為にさえならないわけで、これを違法とする根拠はない。原告は会社が倒産寸前にある時、右行為に出たことを強く非難し、当時石炭の手持が乏しく入手の当もなく、休日に空だきするにしのびなかったことをあげて、A、B等の行為の不当を強調するのであるが、そのような事情が、直ちに休日出勤を義務づける根拠となることは考えられない。 〔休日―休日の概念・特定〕 十一月四日なり七日なりが、予定された休日であったことを原告は争うのであるが、しかし、従来原告会社において第一土曜日と第三土曜日とを賃金支払日と定め、第一日曜日と第三日曜日とが休日となっていたことは、すでに述べた。原告代表者本人の供述により、賃金支払の翌日は従業員がよく休む傾向があったので、その翌日の日曜日を休日としたこと、また、成立に争のない乙第二号証の五の四にCの陳述として記載するところにより賃金支払日と休日とのそのような結びつきのため、従業員には、休日を賃金支払日の翌日という形で意識する傾きが生じていたことが、みとめられるが、とにかく第一日曜日と第三日曜日を休日とすることは事実上守られてきていたのであるから、たとえ就業規則の形で文書に明確に規定されていなかったとしても、慣行を通じて休日は右の通り特定されていたものとみとめなければならない。つまり、黙っていればその日は休日であったわけである。 |