ID番号 | : | 01349 |
事件名 | : | 損害賠償請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 豊橋市失対労働者事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 日々雇用の形をとるいわゆる失対事業の失対労働者が、年休一日を請求して拒否されたが当日欠勤したため、賃金を支払われなかったのに対し、失対労働者にも労基法の年休請求権は認められるとして不払賃金に相当する額の損害賠償を請求した事例。(請求棄却) |
参照法条 | : | 労働基準法39条1項 |
体系項目 | : | 年休(民事) / 年休の成立要件 / 継続勤務 |
裁判年月日 | : | 1971年5月24日 |
裁判所名 | : | 名古屋地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和42年 (ワ) 1349 |
裁判結果 | : | |
出典 | : | 労働民例集22巻3号519頁/時報642号69頁/タイムズ266号218頁/訟務月報17巻7号1135頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 渡辺章・ジュリスト518号137頁 |
判決理由 | : | 労基法第三九条一項にいう継続勤務とは、事実上の就労の継続を意味するものではなく、同一使用者のもとで一定期間被用者の地位を継続すること、すなわち労働契約の存続(在籍)を意味するものと解される。 (中 略) 失対労働者は、職安から失業者であるとの認定を受け、かつその紹介により始めて失対労働者となりうることになる。 このような失対労働者に対する法規制自体に即して考えると、事業主体と失対労働者の雇用契約は、職安の日々失業者であるとの認定と紹介が前提となって始めて結ばれるのであるから、右雇用契約は日々紹介を前提とする日々雇用であることは明らかである。 (中 略) 失対労働者は、いわゆる日々紹介、日々雇用という失対法からの法規制を受けている点において、通常の日雇労働者とは異なるものであり、たとえ、特定の事業主体に一年以上の長期に亘り就労を継続したとしても、右は就労の事実上の継続にすぎず、事実主体との雇用契約は一日限りでその都度完全に中断しているわけであるから、雇用契約が継続しているとみる余地は全く存しない。 |