ID番号 | : | 01433 |
事件名 | : | 退職金請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 聖心女子学院事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 退職にともない、退職金の支払および未消化の年次有給休暇の日数に相当する賃金の支払が求められたのに対し、退職とともに消滅していたとされた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法39条1項,2項 民法627条 |
体系項目 | : | 年休(民事) / 労働契約の終了と年休 |
裁判年月日 | : | 1954年3月19日 |
裁判所名 | : | 神戸地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和28年 (ワ) 345 |
裁判結果 | : | |
出典 | : | 労働民例集5巻6号782頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 次に、有給休暇の点につき考えるのに、原告等は右勤務期間中有給休暇四十六日を有すると主張し、原告X本人は右事実に副う供述をするけれども、これは後記各証拠に照し当裁判所の信用しないところであり、他に右事実を認めるに足る証拠はない。却つて、成立に争のない甲第一号証の一乃至二十二と証人A、同Bの各証言並びに原告X本人尋問の結果の一部を綜合すると、原告等はその職務たるクリーニングが多忙なため、休日を休むときは、残務が山積するので、時には任意に日曜日までも労働していた状態であったので、原告等は前記退職に至るまで友人の結婚式列席という必要やむをえない場合の外は被告学校に対し有給休暇を請求せずに労働し、被告学校からこれに対し通常の賃金が支給せられていたことが認められる。そうすると、原告等のそれまでに行使されなかった休暇請求権は遅くとも右退職と共に消滅したものというべく、原告等にはもはや有給休暇の存在を主張する権利はないのであるから、原告等が有給休暇四十六日を有することを前提とする原告のこの点に関する請求も亦失当といわねばならない。 |