ID番号 | : | 01457 |
事件名 | : | 仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 新三菱重工業事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 未成年者による解雇の効力停止および賃金の支払を求める仮処分申請につき、未成年者にはかかる訴訟能力は認められないとした事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法11条,59条 |
体系項目 | : | 年少者(民事) / 訴訟能力 |
裁判年月日 | : | 1953年2月5日 |
裁判所名 | : | 神戸地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 昭和28年 (ヨ) 51 |
裁判結果 | : | |
出典 | : | 労働民例集4巻6号584頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | して見ると労使間に解雇の効力について争がある場合に未成年労働者側から解雇無劾確認の本訴を提起し又はこれに附随する仮処分として右解雇の劾力を停止し且将来に向って賃金相当額の金員を支払うべきことを申請する如きは労働基準法第五十九条によって未成年労働者に対して例外的に認められる訴訟能力の範囲外にあるとせねばならぬ蓋し労働契約の締結維持等の事項に関しては未成年者は独立の行為能力を有するものでないことは既に上述したとおりであり又その仮処分を以て金員の支払を求める旨の申立も結局は右解雇の状態が本案訴訟の結了に至るまで継続する場合にその未成年労働者がこうむるべき著しき損害を防止するために必要な金員の支払を求めるに帰するのであってこれについて裁判所がたとい申請を認容する場合においても裁判所は右損害を防止するために必要な金額範囲を自由に認定して支払を命じるのであり従って右金員は必しも労働基準法第十一条にいわゆる「労働の対償」とする意味において計測された金員の支払を命じることにはならぬのであって結局かかる保全目的のためにする金員の支払を求める仮処分申請はその解雇無劾に関する本案訴訟について訴訟能力があることを前提とせねばならぬからである。 以上の次第で申請人は結局本件仮処分申請について訴訟能力がなく従って右申請人から直接に申請代理の委任を受けた弁護士竹内信一外二名によって提起された本件申請は適法な訴訟代理権を欠くものとして不適法である。 |