ID番号 | : | 01461 |
事件名 | : | 仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 一栄毛織事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 組合活動を活発にやっていた従業員(未成年者)の解雇につき被解雇者が地位保全の仮処分を申請した事例。 |
参照法条 | : | 民事訴訟法(平成8年改正前)49条 労働基準法58条 |
体系項目 | : | 年少者(民事) / 訴訟能力 |
裁判年月日 | : | 1962年6月11日 |
裁判所名 | : | 名古屋地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和37年 (ヨ) 125 昭和37年 (ヨ) 214 |
裁判結果 | : | |
出典 | : | 労働民例集13巻3号734頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 前田政宏・ジュリスト291号69頁 |
判決理由 | : | 満十五歳位の未成年者はその思考判断力において未だ成熟しないものがあることは顕著な事実であり、かかる未成熟者に訴訟能力を与えることが、果して未成年者の保護になるのであろうか。民事訴訟法において未成年者の訴訟無能力の規定を設けたのは一つに未成年者の保護の趣旨に出ている。未成年者の保護は、労働契約の締結その他労働条件等については労働基準法により考えなければならないと共に、訴訟の提起、追行については民事訴訟法の観点より考慮すべきものである。訴訟行為は種々の攻撃防禦の方法を伴い、その遂行は複雑にして困難であり、訴訟の結果は当事者に重大な利害を及ぼすものである。それだからこそ民事訴訟法は未成年者の訴訟無能力制度を設け、思考判断力において未成熟な未成年者が自ら訴訟に関与することを原則として禁じ、法定代理人をして未成年者に代つて訴訟をなすことにしたのである。この趣旨からすれば、労働契約上の争訟につき未成年者に訴訟能力を否定するのは未成年者保護の趣旨に反すると結論することはできないのみならず、却て訴訟無能力者とすることが未成年者を保護する所以であると言わなければならない。 |