ID番号 | : | 01468 |
事件名 | : | 仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 日本放送協会事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 病気休職後の復職の扱いに関する就業規則の規定につき、その解釈について慣行が成立したときは、労働者の不利益に変更しえないとして復職を求めた仮処分申請を認容した事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条 |
体系項目 | : | 就業規則(民事) / 就業規則の一方的不利益変更 / その他 |
裁判年月日 | : | 1950年7月26日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 昭和25年 (ヨ) 1368 |
裁判結果 | : | |
出典 | : | 労働民例集1巻4号616頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 次に休職者の復職に関する協会の従前の取扱をみるに、結核性疾患による休職者が嘱託医から「軽作業に差支えなし」との診断を得て復職を願い出た場合は、復職辞令をまたず休職期間の満了と同時に出勤せしめ、原則として復職せしめていたことが一応認められる。このように就業規則第四十四条の適用の実際においては、協会は嘱託医の「軽作業に差支えなし」との抽象的診断の結果をもって、一応同条にいわゆる「勤務に支障なき」旨の証明があったものとして取扱ってきたことが窺われるのであって、かかる取扱は結局右就業規則適用上の慣行的な解釈基準とみ得るであらう。 而して就業規則の解釈につき一定の基準が設定せられた以上は、合理的な根拠なくして労働者の不利益にこれを変更することは許されないと解すべきである。 |