ID番号 | : | 01534 |
事件名 | : | 仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 三田精機事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 昭和二九年六月一〇日その変更が届出られた就業規則の定年制によって退職扱とされた女子従業員が、右就業規則は周知措置を欠いておりいまだ効力が発生していないとして、地位保全の仮処分を申請した事例。(申請認容) |
参照法条 | : | 労働基準法106条 |
体系項目 | : | 就業規則(民事) / 就業規則の周知 |
裁判年月日 | : | 1955年6月30日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 昭和29年 (ヨ) 4033 |
裁判結果 | : | |
出典 | : | 労働民例集6巻3号316頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 労働経済旬報272号19頁 |
判決理由 | : | 元来就業規則は従業員に周知させ又は公示等の手段により従業員の周知し得る状態におかれることによって始めてその効力を発生するものと解するのが相当であるので、本件就業規則は同年五月中に効力を発生したものということはできない。却って疏明によれば、会社が右規則を作成したのは同年五月になってからであり、同年六月頃もなお申請人らの所属するA労働組合B分会は右案について討議していたことが認められるのである。 してみると、昭和二十九年五月三十一日当時会社においては従業員の停年に関する就業規則の定めは有効に存在しなかったというのほかはないから、右の定めの有効に存在したことを前提としてその頃申請人が会社従業員たる地位を失ったとする被申請人会社の主張は理由がない。 |