全 情 報

ID番号 01557
事件名 解雇無効確認等請求事件
いわゆる事件名 西鉄宏済会事件
争点
事案概要  定年による解雇につき、採用時の就業規則には定年制の定めがない等として、右解雇の無効確認を求めた事例。(棄却)
参照法条 労働基準法2章,89条,106条
体系項目 就業規則(民事) / 就業規則の周知
裁判年月日 1979年4月16日
裁判所名 福岡地
裁判形式 判決
事件番号 昭和53年 (ワ) 275 
裁判結果 棄却
出典 労経速報1020号22頁
審級関係
評釈論文
判決理由  被告会社では従業員を採用する際、被告会社の総務部長もしくは営業部長が面接して、勤務場所、勤務時間、給与等の大略を説明するが、就業規則を交付もしくは読み聞かせることはしておらず、原告採用の際も、被告会社の総務部長、同営業部長が各別に面接したが、右と同様であったこと、前記就業規則によれば、男子従業員の定年は満六五歳、女子従業員のそれは満五八歳であるが、必要に応じてはこれを嘱託として引続き雇傭することができる旨規定され、実際上も男女共に定年後嘱託として引続き雇傭されて稼働する者があって、原告についても特段の事情のない限り定年後も嘱託として引続き働くことも可能なところから、右採用時において特に定年について明示されなかったことも推認されること、しかしながら、
 (中 略)
 前記のとおり原告は採用時就業規則の内容としての勤務条件などにつき説明を受け、その後においても説明会も開かれ、就業規則は前記のとおり被告会社の営業所に備付けられているばかりでなくその改正の都度従業員の意見も聴取されているうえ、相当数の従業員においては嘱託及び定年について認識していたと推察されるので原告においても相当の注意を払えば定年制を知り得たと考えられる実情にあるところから被告会社において労働基準法第一〇六条第一項の違反があるということはできない。