ID番号 |
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01591 |
事件名 |
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仮処分控訴事件 |
いわゆる事件名 |
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高知新聞社事件 |
争点 |
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事案概要 |
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争議行為にともなう行為を理由とする解雇につき、就業規則に懲戒解雇規定を予告手当提供による普通解雇の規定がある場合、懲戒の意図をもって普通解雇規定を適用することの可否。(消極) |
参照法条 |
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労働基準法89条1項3号,9号 |
体系項目 |
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懲戒・懲戒解雇 / 懲戒解雇の普通解雇への転換・関係 |
裁判年月日 |
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1957年6月11日 |
裁判所名 |
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高松高 |
裁判形式 |
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判決 |
事件番号 |
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昭和32年 (ネ) 7 |
裁判結果 |
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出典 |
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労働民例集8巻3号337頁/労経速報249号2頁 |
審級関係 |
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評釈論文 |
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判決理由 |
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最後に本件解雇の効力の点について検討するに、控訴人は本件解雇を以て普通解雇であると主張するが、その実質において本件争議を違法とし違法争議を企画指導した責任を追及して解雇したものであることはその主張自体によって明らかであって(普通解雇なら、争議乃至争議行為の違法をいう為、数万言を費す必要は毫もない)、凡そ解雇が使用者が労働者の経営秩序違反その他の信義則違反に対し一方的に課する制裁の実質を有する以上これを懲戒と解すべきこともとより当然である。果して然りとすれば本件においても就業規則(成立に争ない疎甲第六十四号証)の懲戒規定の適用を見るべく次いで該規則の適用として為される懲戒処分が規定の趣旨と労働者の行為にかんがみ客観的妥当性を有するや否やか問題となるのであって、もし妥当性を欠く処分ならばこれを無効とすべき結論となるのである。当裁判所は原判決摘示と同一の理由及び上記説示の理由によって、被控訴人等の所為は他の懲戒処分に相当するものであっても、未だ解雇に値するものではないとし本件解雇を無効と解するが故にこれと同旨に出で被控訴人等の申請を容れ控訴人の申請を却下した原判決を相当と認め本件控訴を棄却すべく訴訟費用の負担につき民事訴訟法第八十九条を適用して主文の通り判決した。 |