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ID番号 01644
事件名 解雇予告手当金請求事件
いわゆる事件名 江東ダイハツ自動車事件
争点
事案概要  労働基準法二〇条違反を理由とする附加金請求につき、附加金に対する遅延損害金の起算日を判決確定の日とした事例。
参照法条 労働基準法114条
体系項目 雑則(民事) / 附加金
裁判年月日 1975年7月17日
裁判所名 最高一小
裁判形式 判決
事件番号 昭和49年 (オ) 832 
裁判結果 一部棄却 一部破棄自判
出典 時報783号128頁/裁判集民115号525頁
審級関係 控訴審/01669/東京高/昭49. 4.30/昭和48年(ネ)239号
評釈論文 小西国友・ジュリスト631号141頁
判決理由  思うに、同法一一四条の附加金の支払義務は、その支払いを命ずる裁判所の判決の確定によって初めて発生するものであるから、右判決確定前においては、右附加金支払義務は存在せず、したがって、これに対する遅延損害金も発生する余地はないが、右判決の確定後において、使用者が右附加金の支払いをしないときは、使用者は履行遅滞の責を免れず、労働者は使用者に対し右附加金に対する民法所定年五分の割合による遅延損害金の支払いを請求しうるものと解するのが相当である(当裁判所昭和四三年(オ)第一〇六〇号、第一〇六一号同年一二月一九日第一小法廷判決・裁判集民事九三号七一三頁参照)。
 ところで、上告人は、本件において、附加金五万五七七〇円に対する右附加金の支払いを命じた本件第一審判決の正本が被上告人に送達された日の翌日である昭和四八年二月一日から支払済みに至るまで一日四〇九円の割合による遅延損害金の支払いを求めるものであるところ、さきに説示したところに照らせば、上告人の右請求中右附加金の支払いを命じた判決の確定の日までの遅延損害金の支払いを求める部分及び右判決確定の日の翌日から支払済みに至るまで年五分の割合をこえる遅延損害金の支払いを求める部分は、失当として排斥を免れないが、右請求中のその余の部分、すなわち、右判決確定の日の翌日から支払済みに至るまで年五分の割合による遅延損害金の支払いを求める部分は、被上告人が上告人に対し本件解雇予告手当を支払わず、そのため本件附加金の支払いを命ぜられるに至った本件訴訟の経緯に徴すれば、上告人においてあらかじめ右遅延損害金の支払いを訴求する必要のあることも肯認できるから、正当として認容すべきである。