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ID番号 01660
事件名 日宿直手当請求事件
いわゆる事件名 奈良県事件
争点
事案概要  条例で宿日直手当に関する規定が設けられるまでの間における地方教育公務員の宿日直手当につき、労働基準法一一五条の適用が争われた事例。(肯定)
参照法条 労働基準法115条
体系項目 賃金(民事) / 賃金の支払い原則 / 賃金請求権と時効
雑則(民事) / 時効
裁判年月日 1964年5月18日
裁判所名 奈良地
裁判形式 判決
事件番号 昭和35年 (ワ) 214 
昭和35年 (ワ) 253 
昭和35年 (ワ) 280 
昭和36年 (ワ) 10 
裁判結果
出典 行裁例集15巻5号853頁/教職員人事関係裁判例集3号254頁
審級関係
評釈論文
判決理由  国家公務員については国家公務員法第一次改正法律附則第三条で「別に法律が制定実施されるまでの間、国家公務員法の精神にてい触せず、且つ同法に基く法律又は人事院規則で定められた事項に矛盾しない範囲内において、労働基準法および船員法並びにこれらに基く命令の規定を準用する。」と規定されており労働基準法第一一五条が国家公務員法の精神にてい触せず、且つ同法に基づく法律又は人事院規則で定められた事項に矛盾しないかどうかについて検討の余地を残すけれども、地方公務員については地方公務員法第五八条第一項には「労働組合法および労働関係調整法並びにこれらに基く命令の規定は、職員に関して適用しない。」ことを明言しながら、同条第二項では労働基準法のうち特定の規定のみその適用を除外している。このことは文理解釈上同法が原則として地方公務員法の適用をうける一般職の地方公務員(本件原告らのような地方教育公務員をも含む)に適用されるものと解すべきで、賃金等の請求権の時効に関する労働基準法第一一五条は適用を除外されていないからその適用をうけると解さざるを得ない。
 この解釈は、特別職の地方公務員については会計法第三〇条の適用があって、その給与の消滅時効は五年になると解さざるを得ない点から著しく不公平であるとの批判を受けることになるであろうが、それは立法によって解決すべき問題であって、これによって現行法の解釈を左右することは困難である。