ID番号 | : | 01669 |
事件名 | : | 解雇予告手当金請求控訴事件 |
いわゆる事件名 | : | 江東ダイハツ自動車事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 民法四〇四条の規定は、労働基準法一一四条の附加金等主債務に附随して発生、移転、消滅する附随債務自体の履行遅滞には適用されないとした事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法114条 民法415条,419条1項 |
体系項目 | : | 雑則(民事) / 附加金 |
裁判年月日 | : | 1974年4月30日 |
裁判所名 | : | 東京高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和48年 (ネ) 239 |
裁判結果 | : | 棄却 新請求棄却(上告) |
出典 | : | 労働民例集25巻3号228頁/時報744号103頁/東高民時報25巻4号82頁/タイムズ312号219頁 |
審級関係 | : | 上告審/01644/最高一小/昭50. 7.17/昭和49年(オ)832号 |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 附加金は、使用者が労基法の規定に違反して同法によって課せられた賃金その他の金銭給付の義務を履行しなかったとき使用者に対して課せられる制裁であって、使用者の右金銭給付義務を履行させるため、これに附随して、労働者の請求により裁判所が支払を命ずる加重金であり、制裁としては公法上のものであっても、その加重金に対する遅延賠償については債務不履行の法理が適用されると解するのが相当である。ところで債務不履行の法理によれば金銭債務の履行遅滞による損害賠償として年五分の法定利率による遅延金の支払を請求し得る旨の民法の規定(四一五条、四一九条一項、四〇四条)は、利息、附加金等主債務に附随して発生、移転、消滅する附随債務それ自体の履行遅滞には適用されないと解される。してみれば、附加金の支払義務は、その支払を命ずる裁判の確定により始めて生じ、仮にその遅滞が生じても、これに対しては、遅延損害金は発生しないと解するのが相当である。 |