ID番号 | : | 01697 |
事件名 | : | 仮処分控訴事件 |
いわゆる事件名 | : | 淀川製鋼所事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 原告の言動がサボタージュを示唆する悪質なものだ等との理由でなされた懲戒解雇につき被解雇者が地位保全、賃金支払の仮処分を申請したのに対し認容されたため会社側が控訴していた事例。(控訴棄却) |
参照法条 | : | 労働基準法20条,89条1項9号 |
体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒権の限界 |
裁判年月日 | : | 1960年8月22日 |
裁判所名 | : | 大阪高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和32年 (ネ) 105 |
裁判結果 | : | |
出典 | : | 労働民例集11巻4号875頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 花見忠・ジュリスト244号84頁 |
判決理由 | : | 以上のとおり前記(イ)(ロ)の事実は就業規則第六二条所定の懲戒事由の何れにも該当せず、(ハ)ないし(ホ)の事実はこれに該当するとしても、これに対し同第六〇条所定の懲戒処分中、懲戒解雇をもって臨むことは著しく不当であって、懲戒処分の選択を誤ったものといわざるを得ず、またさきに認定した被控訴人の控訴会社における地位、身分を参酌すると、前記(イ)ないし(ホ)の事実を綜合して考慮するも到底懲戒解雇に値するものとは考えられないから、本件懲戒解雇は控訴人が就業規則によって自ら制限を加えた懲戒権の範囲を逸脱するものであって、結局懲戒権なき場合に懲戒解雇をなしたことに帰し、それが不当労働行為を構成するか否か、これを行うについて就業規則第六三条所定の協議を行ったか否か及び本件解雇が労働基準法第二〇条に違反する即時解雇であって無効であるか否かについて審理するまでもなく、無効であるといわなければならない。 |