ID番号 | : | 01699 |
事件名 | : | 仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 王子製紙事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 暴行、脅迫等を理由に懲戒解雇(三名)、諭旨解雇(一名)された者が右解雇の効力停止の仮処分を申請した事例。(申請却下) |
参照法条 | : | 労働組合法1条,7条 労働基準法89条1項9号 |
体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 違法争議行為・組合活動 |
裁判年月日 | : | 1961年9月26日 |
裁判所名 | : | 札幌地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和34年 (ヨ) 87 |
裁判結果 | : | |
出典 | : | 労働民例集12巻5号845頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 平岡一実・ジュリスト280号79頁 |
判決理由 | : | しかし組合員が組合の一般的ないし具体的指示に基いて組合の団体行動の一環としてなした行為について、個別的責任評価が許されないとする申請人らの右主張は、当裁判所はこれを採用することができない。蓋し、組合が集団として経営者との間に交渉して得られる権利ないし利益は勿論集団としての組合と経営者間の関係として把握すべきであるけれども、組合員のなす具体的な行為は、抽象的な団体の行為の一環として評価されるべき部面のみではなく、常に自由意思を持つ個人としての行為として評価されるべき部面を有するものと解するのが相当である。したがってその部面における行為の意味結果を、集団的組合の行為としての評価と別個に評価することになんら矛盾がないのみならず、行為者個人がその行為の結果について原則的にその責任を負うべきことは当然のことゝいうべきであり、労働組合法第一条、第七条等の規定も凡そ組合活動である以上すべて正当なものとして、規定したものではなく、その正当なものに限って行為の違法性を阻却すると規定したものと解すべきである。 |