ID番号 | : | 01740 |
事件名 | : | 地位保全等仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 豊菱生コンクリート事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 会社の内情を新聞報道させたこと等を理由に懲戒解雇された従業員が、右懲戒解雇は正当事由を欠き無効である等として地位保全等求めた仮処分申請事件。(申請認容) |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項9号 |
体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 職務外非行 |
裁判年月日 | : | 1968年12月20日 |
裁判所名 | : | 名古屋地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和42年 (ヨ) 56 |
裁判結果 | : | |
出典 | : | 時報554号88頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 右のような偶然の事態から発展し被申請人会社に不利な内情が多少誇張され各新聞に報道されたとしても、そのことをもって直ちに申請人らが故意または重大な過失により重大な社損を醸し又は著しく会社の信用を失墜させたもの(被申請人会社就業規則第四八条第一五号)と解することはできないものといわなければならない。 また前記(1)認定の事実によれば、申請人Xが同月一八日夜、酒に酔って被申請人会社従業員A方を訪ずれ同人を一回殴打したことは明らかであるが、他方右暴行の事実は極めて軽微な事由であり、しかもそれは申請人Xと右A間の個人的な感情のもつれがその原因であって、被申請人会社の業務時間外に会社事業場外のAの私室で発生した事柄であるから、被申請人会社の業務と直接関連のない事由とみるべきである。 そうだとすれば右暴行は被申請人の主張する「事業場内で賭博、暴行その他これに類する行為を行なったとき」被申請人会社就業規則第四八条第一三号)には該当しないものといわなければならない。以上の説明によれば、被申請人の主張第二項の懲戒解雇事由は、いずれも就業規則の各条項に該当しないので、被申請人会社就業規則自体の効力の有無を判断するまでもなく、本件懲戒解雇は無効といわなければならない。 |