ID番号 | : | 01742 |
事件名 | : | 免職処分無効確認請求控訴事件 |
いわゆる事件名 | : | 国鉄青函連絡船渡島丸事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 時限ストに際し保安要員を実力で職場離脱させた行為等を理由に懲戒免職処分に付された国鉄職員が、右処分は懲戒権濫用にあたる等として、その無効確認を求めた事件の控訴審。(控訴認容、労働者勝訴) |
参照法条 | : | 日本国有鉄道法31条 民法1条3項 |
体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 違法争議行為・組合活動 |
裁判年月日 | : | 1969年1月17日 |
裁判所名 | : | 札幌高函館支 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和42年 (ネ) 2 |
裁判結果 | : | |
出典 | : | 高裁民集22巻1号8頁/労働民例集20巻1号1頁/時報545号14頁/タイムズ232号132頁 |
審級関係 | : | 一審/函館地/ . ./昭和40年(ワ)165号 |
評釈論文 | : | 手塚和彰・ジュリスト449号137頁/松林和夫・月刊労働問題134号108頁 |
判決理由 | : | 本件時限ストにつき渡島丸に関してはAは最高指導者であり、Bは機関部内責任者であったのに比し、控訴人は、組合役員の指示に従って行動した一般組合員にすぎなかったこと、これまで全国を通じ争議に関連して国鉄法三一条により免職処分を受けたものは八八名に達するところ、公安職員、管理職者に対する暴行、傷害等の衝突がなく、あるいは刑事事件ともならず、単に業務命令違反の結果を来し、ないしは他組合員を連行したとの廉で免職とされたものは極めて稀であること、控訴人は本件に関し刑事事件として取調を受けていないこと、以上の諸事実が認められる。これら上記の諸事情を綜合考察すると、被控訴人の控訴人に対する免職は、苛酷に失し、懲戒権行使の裁量の範囲を著るしく逸脱したものとして懲戒権の濫用にあたるものというべきである。 |