ID番号 | : | 01752 |
事件名 | : | 雇用契約存在確認請求控訴事件 |
いわゆる事件名 | : | 日本鋼管事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | いわゆる砂川事件に関連して刑特法違反で逮捕、起訴、新聞報道され二〇〇〇円の罰金刑を受けたことが就業規則所定の「会社の体面を著しく汚したとき」にあたるとして懲戒解雇等された従業員らが、右解雇等は無効であるとして雇用契約の存在確認を求めた事件の控訴審。(控訴棄却、労働者勝訴) |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項9号 |
体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒権の根拠 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 職務外非行 |
裁判年月日 | : | 1970年7月18日 |
裁判所名 | : | 東京高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和42年 (ネ) 2350 |
裁判結果 | : | 棄却(上告) |
出典 | : | 高裁民集23巻3号403頁/時報615号71頁/東高民時報21巻7号153頁/タイムズ256号151頁 |
審級関係 | : | 上告審/01789/最高三小/昭49. 3.15/昭和45年(オ)982号 |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔懲戒・懲戒解雇―懲戒権の根拠〕 使用者がその従業員たる労働者に対して有するいわゆる懲戒権は、使用者が一方的に労働者に対しその固有の権利として有するものと解すべきものではなく、使用者と労働者との間において個別的又は集団的に合意がなされることによってはじめて生ずるものと解すべく、右の合意が憲法その他法令に違反することなく且合理性のあるものである限り、使用者も労働者もこれに拘束されるものというべく、これに反する控訴人会社の見解は採用できない。 〔懲戒・懲戒解雇―懲戒事由―職務外非行〕 以上認定のとおり、従業員約三万名を有する控訴人会社のようないわゆる巨大産業会社における一事業所の従業員にすぎない被控訴人らの前記のような行為について、それが、右に認定した程度において、控訴人会社の企業としての社会的信用等に若干の影響を及ぼしたことは認められるものの、それ以上に、控訴人会社の主張するようにその主観的危惧、認識の程にまで控訴人会社の社会的評価を著しく損うところがあったことを認めるに足る証拠はない。 したがって被控訴人らの前記認定の行為は、本件懲戒規定の懲戒解雇又は諭旨解雇事由に該当しないものと判断する。 |