ID番号 |
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01849 |
事件名 |
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地位保全等仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 |
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九十九里ホーム病院事件 |
争点 |
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事案概要 |
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使用者の名誉信用を毀損するおそれのある労働組合のビラを企画・配布したことが懲戒事由に当たるとしてなされた解雇処分につき、地位の保全等と求めた仮処分事例。(却下) |
参照法条 |
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労働基準法89条1項9号 |
体系項目 |
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懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 会社中傷・名誉毀損 |
裁判年月日 |
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1979年4月25日 |
裁判所名 |
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千葉地 |
裁判形式 |
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判決 |
事件番号 |
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昭和51年 (ヨ) 179 |
裁判結果 |
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却下(控訴) |
出典 |
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時報944号120頁/労働判例333号72頁 |
審級関係 |
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評釈論文 |
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判決理由 |
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本件ビラは、死亡事故が債務者病院で発生したとの誤解を与える表現や事実を歪曲ないし誇張した表現を用いて債務者病院の労働条件が極めて劣悪であるかのように中傷するものであり、その配布手段が債務者病院の経営基盤ともいうべき地域に、通常の労働組合の文書活動としては特異ともいえる新聞折り込みという方法でなされ、その反響も実際大きかったことなどに照らせば、本件ビラに記載の死亡事故などが地域住民に広く誤って流布され、その結果債務者がその営業上多大の不利益を被ることは相当の確実さをもって予見されるところであり、債務者が反論ビラを配布するなどの措置をとらなかったならば、債務者病院の経営に致命的な影響を及ぼしかねなかったものとも予想され、本件ビラの配布は従組の組合活動として正当性の範囲を著しく逸脱したものであると解するのが相当である。そうだとすれば、本件ビラの立案、作成、配布に中心的役割を果たして企画、実行かつ指導した債権者は少くとも重大な過失によって債務者に不利益を与え、債務者の名誉、信用を毀損したものといわねばならず懲戒事由たる就業規則三一条一号及び四号に該当するものといえる。 |