ID番号 | : | 01859 |
事件名 | : | 懲戒処分取消請求控訴事件 |
いわゆる事件名 | : | 北九州市単純労務職員事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 市長がなした懲戒処分につき、懲戒権の濫用であるとして右処分の取消を求めた事例。 |
参照法条 | : | 地方公務員法27条 |
体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒権の限界 |
裁判年月日 | : | 1979年12月20日 |
裁判所名 | : | 福岡高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和53年 (行コ) 29 昭和53年 (行コ) 30 |
裁判結果 | : | 認容(29号)、棄却(30号) |
出典 | : | 労働民例集30巻6号1255頁 |
審級関係 | : | 一審/福岡地/昭53. 9.26/昭和45年(行ウ)47号 |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 職員に懲戒事由がある場合に、懲戒権者が当該職員を懲戒処分に付すべきかどうか、懲戒するときにいかなる処分を選択すべきかを決するについては公正でなければならない(同法第二七条)ことはもちろんであるが、懲戒権者は、懲戒事由に該当すると認められる行為の原因、動機、性質、態様、結果その他諸般の事情を考慮して、懲戒処分に付すべきかどうか、また、懲戒処分をする場合にいかなる処分を選択すべきかを決定しうるのであつて、それらは懲戒権者の裁量に任されているものと解される。したがって、右の裁量は、恣意にわたることを得ないことは当然であるが、懲戒権者が右裁量権の行使としてした懲戒処分は、それが社会観念上著しく妥当を欠いて裁量権を付与した目的を逸脱し、これを濫用したと認められる場合でない限り、その裁量権の範囲内にあるものとして違法とならないものというべきところ(最高裁判所昭和四七年(行ツ)第五二号同五二年一二月二〇日第三小法廷判決・民集三一巻七号一一〇一頁参照)、前記認定のような原告らの各行為の経緯、内容、結果等に照すと、被告のした本件各懲戒処分が、社会観念上著しく妥当を欠き、裁量権を逸脱したものということはできず、他にこれを認めるに足りる事情も見当らない。 |