ID番号 |
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01860 |
事件名 |
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地位保全仮処分命令申請控訴事件 |
いわゆる事件名 |
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東京流機製造事件 |
争点 |
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事案概要 |
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使用者がなした懲戒解雇につき、解雇権の濫用である等として、従業員としての地位の保全を求めた仮処分事件。 |
参照法条 |
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労働基準法89条1項9号 |
体系項目 |
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懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 違法争議行為・組合活動 |
裁判年月日 |
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1979年12月24日 |
裁判所名 |
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東京高 |
裁判形式 |
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判決 |
事件番号 |
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昭和51年 (ネ) 2251 |
裁判結果 |
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棄却(確定) |
出典 |
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労働民例集30巻6号1337頁/時報953号123頁/東高民時報30巻12号351頁/労働判例339号66頁 |
審級関係 |
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一審/横浜地/昭51. 9.17/昭和51年(ヨ)532号 |
評釈論文 |
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判決理由 |
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支部は右各ストライキをするについて、その期日、時間、被指名者を明示した通告書を、しかもそのうちの相当数については「組合用務のため」、「会議に出席させるため」等と明記して、その大部分は当日に控訴人に交付していたのであるが、これに対して控訴人は会社施設へのビラ貼り、その無許可利用、会社構内でのビラ配布等については従来支部に対して再三警告を与え、その参加者に対してときに懲戒処分に付しているにもかかわらず、右ストライキの実施については、前示警告を発した昭和五一年二月二七日までは、右通告書を受領するに当り、別段の異議を留め又は警告を発することなく、その実施を静観していたこと前述のとおりであることのほか、《証拠略》によれば、このような指名時限ストライキは昭和四九年一一月以来、別表(一)、(二)挙示のほかにもかなり行なわれてきたことが認められることに照らせば、控訴人は従来被控訴人らがストライキに名を藉りて就業時間中に組合活動をすることについて、これがその参加人数、時間からみて会社の正常な運営を殆んど阻害しなかったところから、黙示の承諾を与えていたものというべく、しからずとするも、被控訴人らからそう受取られてもやむを得ない事情にあったということができるから、これを被控訴人らの懲戒処分の事由とすることは著しく当を失したものであり、まして、最も重い処分である懲戒解雇の事由とすることは、明らかに懲戒権の範囲を逸脱したものといわなければならない。控訴人がストライキ通告に対して異議を述べなかったことが、たとい右ストライキを適法であると誤解したことによるものであったとしても、右判断に相違を来たすものとはいい難い。 |