ID番号 | : | 01903 |
事件名 | : | 懲戒処分取消請求控訴事件 |
いわゆる事件名 | : | 北九州市病院事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 大量の人員整理を予定する市の病院事業再建計画案に反対するストライキを指導したとして懲戒免職処分ないし停職処分に付された組合役員らが、右各処分は懲戒権の濫用に当り無効である等として右各処分の取消を求めた事件の控訴審。(原審 一部取消、労働者敗訴) |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項9号 民法1条3項 |
体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 違法争議行為・組合活動 |
裁判年月日 | : | 1983年9月29日 |
裁判所名 | : | 福岡高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和55年 (行コ) 14 昭和55年 (行コ) 15 |
裁判結果 | : | 一部取消(上告) |
出典 | : | タイムズ534号126頁 |
審級関係 | : | 一審/福岡地/昭55. 5. 7/昭和43年(行ウ)69号 |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 前示のとおり、本件各争議行為は、自治労中央本部A書記長を長とする自治労現地闘争本部の指導により実施されたものであるが、市職としても現地闘争本部から具体的な闘争方針の提案を受け、これを単組とし検討しその意思を決定し、これを実行したものであるところ、現地闘争本部副本部長あるいは市職及び病院労組、市労連の各執行委員長として最高責任者の立場にあつた一審原告Xは、本件各争議行為の企画・立案に関与したものであり、その主導的役割の下に、その余の一審原告らは、現地闘争本部の闘争委員あるいは市職の各役員として本件各争議行為の準備及び実施に各自の役職に応じた指導的役割を果したものであるから、右のように違法な本件各争議行為について、それ相応の責任を免れ得ないものである。 以上のとおりであって、前示のような本件各争議行為に至る経緯・本件各争議行為の状況、一審原告らの本件各行為の性質・態様・情状、各組合役職、その他前記認定の諸事情に照らせば、本件処分が社会観念上著しく妥当を欠くものとなすことができず、そのほかこれを認めるに足りるような事情も見当らないので、本件処分が懲戒権者である一審被告に任された裁量権の範囲を超え、これを濫用してなされたとの一審原告らの主張は採用することができない。 |