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ID番号 01951
事件名 損害賠償請求控訴、民事訴訟法一九八条二項の原状回復等の申立事件
いわゆる事件名 福岡中央郵便局事件
争点
事案概要  公務執行妨害罪等で起訴されたため起訴休職処分に付された郵便職員が、一審無罪判決後も右処分を継続され、かつ所定給与等の三〇パーセントの支給しか受けなかったのに対し、右処分の違法無効を主張して、右処分中の未払い給与相当額の損害賠償等求めた事件の控訴審。(認容、労働者敗訴)
参照法条 労働基準法89条1項9号
体系項目 休職 / 起訴休職 / 休職制度の効力
裁判年月日 1984年4月26日
裁判所名 福岡高
裁判形式 判決
事件番号 昭和55年 (ネ) 776 
昭和55年 (ネ) 787 
昭和55年 (ネ) 788 
昭和57年 (ネ) 689 
裁判結果 (上告)
出典 労働民例集35巻2号169頁/労働判例432号38頁/訟務月報30巻9号1646頁
審級関係 上告審/最高一小/昭63. 6.16/昭和59年(オ)889号
評釈論文 森脇勝・昭和59年行政関係判例解説195頁
判決理由  福岡中央郵便局長が一審原告らに対する本件休職処分を発令するにあたり、公訴事実に相応する行為が存在しないことを知って敢えて発令したとか、その真実性に重大な疑問を抱きつつ発令したとかいうような事実は認められない。また、任命権者のなす調査としては一審原告ら本人に対する事情聴取をしなかった点が前記通達の趣旨に反する点を除けば、一応為すべき処置は尽したということができる。また、前述の如き本件の事件内容にてらして、一審被告Y1、同Y2が、一審原告らの行為につきことさら虚偽の報告をしたと認めることもできない。また、原審証人Aの供述に弁論の全趣旨をあわせると、他に一審原告ら主張の如く起訴されながら休職処分をうけていない郵政職員の事例も多くあると認められるが前述の如く、本件においては休職処分をなすについて十分な合理性、必要性があるというべきであるから、平等原則違反による違法の主張も採用できない。また、以上のいきさつからみて任命権者が公訴事実に相応する犯行の存在を疑わなかったことをもって直ちに過失があるとはいえず、一審原告らに対する直接の事情聴取をしなかったことをもって本件休職処分が直ちに違法となるともいえない。
 本来起訴休職処分の効力は、当該刑事事件の有罪、無罪に左右されないのであるから、本件の場合後日の無罪確定をもって本件起訴休職処分が遡って違法になるという主張(本判決事実3の(三)の(5))も採用できない。」