ID番号 | : | 03038 |
事件名 | : | 一時金請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 浦添交通事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 賃金規程上原則として年二回の賞与の支給がある賃金体糸を選択したタクシー乗務員が賞与を請求した事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法11条 労働基準法3章 |
体系項目 | : | 賃金(民事) / 賞与・ボーナス・一時金 / 賞与請求権 |
裁判年月日 | : | 1987年3月27日 |
裁判所名 | : | 那覇地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和57年 (ワ) 172 |
裁判結果 | : | 一部認容 |
出典 | : | 労働判例497号101頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 和田肇・ジュリスト913号104~106頁1988年7月15日 |
判決理由 | : | 〔賃金-賞与・ボーナス・一時金-賞与請求権〕 右の事実によれば、被告のタクシー乗務員は、甲種及び乙種のいずれかの賃金体系を選択することができ、全体としてみた場合、甲種乗務員に前記方法により算定支給される月額賃金は、乙種乗務員に支給される完全歩合給に較べて少なく、甲種乗務員に対してはその分賞与によって補填される仕組みになっていたものと認め得るところ、被告の前記就業規則及び賃金規程の定めに鑑みると、右賞与の支給については、被告は会社の営業成績や各人の勤務成績等を加味して弾力的な運用を行うことが可能であるが、本件においては右のように二種類の賃金体系が存在し、賞与と言へども労働の対価としての実質を有することを考慮すると、右の裁量にも一定の制約があり、被告の賞与の支給ないし不支給の決定が合理性を欠く場合には、他に特段の立証がない限り、乙種乗務員と甲種乗務員との収入の差額をもって本来支払われるべき賞与額と推認するのが相当であり、かつ、その請求権が本来支払われるべき時期において具体化するものと解すべきである。 |