全 情 報

ID番号 03083
事件名 給料請求事件
いわゆる事件名 メンバーズクラブ「アプローズ」事件
争点
事案概要  メンバーズクラブの店長として採用された者が解雇後、未払賃金、解雇予告手当の支払いを請求したのに対し、被告側が契約金、前貸金、貸付金、集金済未入金等の返還を求める反訴請求を行って争った事例。
参照法条 労働基準法24条1項
体系項目 賃金(民事) / 賃金の支払い原則 / 全額払・相殺
裁判年月日 1987年8月25日
裁判所名 大阪地
裁判形式 判決
事件番号 昭和61年 (ワ) 3188 
昭和61年 (ワ) 7771 
裁判結果 一部認容
出典 労働判例506号91頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔賃金-賃金の支払い原則-全額払〕
 二 本訴請求に対する抗弁並びに反訴請求原因について
 反訴請求原因3、8の事実、同1の事実のうち原告が被告経営のメンバーズクラブアプローズに店長として採用されたこと、同6の事実のうち、昭和六〇年一一月分の給料より金四〇万円、同年一二月分の給料より二五万円、昭和六一年一月分の給料より金三〇万円、原告が被告に返済したことは、いずれも当事者間に争いがない。
 (証拠略)を総合すれば、反訴請求原因1のうちその余の事実、同2、4及び5の事実並びに本訴請求に対する抗弁1及び3の事実が認められる(ただし、ホステス契約金中ユリに対する前店未収分四〇万円については認めるに足る証拠はない。)。
 なお、反訴請求原因2記載のような契約が、公序良俗に反するか否かについては、議論の存するところであるが、原告から、その旨の主張がないので判断しない。
 本訴請求に対する抗弁2の事実のうち、給料を当店未収金の一部返済に充当処理する旨の事前の原被告間の合意がなされたことを認めるに足る証拠はなく、その他、賃金全額払の原則にもかかわらず、このような充当処理が許容される事情は認められない。