ID番号 | : | 03105 |
事件名 | : | 免職処分取消請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 三木市職員事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 外傷性てんかんの持病を有する条件附採用期間中の清掃作業員に対する分限免職処分の効力が争われた事例。 |
参照法条 | : | 地方公務員法22条 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 解雇事由 / 病気 解雇(民事) / 解雇事由 / 条件付採用 |
裁判年月日 | : | 1987年10月29日 |
裁判所名 | : | 神戸地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和60年 (行ウ) 40 |
裁判結果 | : | 認容 |
出典 | : | 労働判例506号27頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔解雇-解雇事由-病気〕 地方公務員法二二条は、地方公務員の採用につき、いわゆる条件附採用制度をとることとしているが、右制度の趣旨、目的は、職員の採用にあたり行われる競争試験がなお、職務遂行能力を完全に実証するとは言い難いことから、競争試験により採用された職員の中に適格性を欠く者があるときは、その排除を容易にし、もって、職員の採用を能力の実証に基づいて行うとの成績主義(同法一五条)を貫徹しようとするところにある。従って、条件附採用期間中の職員は、正式採用に至る過程にあるものといえる。これらのことから、条件附採用期間中の職員に対する免職処分については、任命権者に一定範囲の裁量権が認められるものの、条件附採用期間中の職員といえども、既に競争試験を経て、現に給与を受け、正式採用されることに対する期待を有するものであるから、右裁量権は純然たる自由裁量ではなく、その判断が合理性をもつものとして許容される限度を越えた不当なものであるときは、裁量権の行使を誤った違法なものというべきである。 〔解雇-解雇事由-条件付採用〕 原告の「てんかん」の症状は極めて軽度であり、特に危険な作業を避ける限り、その発作が事故につながる可能性はほとんどないものということができる。 (中略) そうすると、原告には身体の故障のため職務の遂行に支障があるとはいえないのに、支障が存在するとしてされた本件処分は、処分理由を欠くものであり、裁量権を誤った違法な処分として取消を免れない。 |