ID番号 | : | 03106 |
事件名 | : | 地位確認等請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 神戸弘陵学園事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 雇用期間を一年として雇用されていた高校教師が期間満了を理由として雇止めされたことにつきその効力を争った事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 短期労働契約の更新拒否(雇止め) |
裁判年月日 | : | 1987年11月5日 |
裁判所名 | : | 神戸地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和60年 (ワ) 1755 |
裁判結果 | : | 棄却(控訴) |
出典 | : | タイムズ669号143頁/労働判例506号23頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔解雇-短期労働契約の更新拒否(雇止め)〕 期限付の雇用契約は、再三更新されるなどして期間の定めのない契約に転化したものとみられるなど特段の事情のない限り、期限の経過とともに当然に終了するものと解されるところ本件契約にはこのような特段の事情は認められない。 すなわち、被告が期限付契約を採用した理由は既に認定した通り、本校が新設校で一時に大量の教員を採用しなければならない反面、教員の採用は慎重に行なわなければならないという事情にあったためであり、また、期間を一年にしたのは(人証略)によれば、学校教育は行事等も含め一年単位で行なわれるから、各教員にひととおりの経験をしてもらったうえで、その適性を判断しようという趣旨であることが認められる。そして、本件契約は、これまで反覆更新されたことはないし、本校が新設校のため一年間の期限付常勤講師を経れば必ず教諭に昇格する慣例が存在していたわけでもない。更に前記認定のとおり、被告は長年の教員の経験を有する者については当初から期間の定めのない契約を締結しており、(人証略)によれば、同五九年度採用の教員(常勤講師)を同六〇年度に再雇用するにあたり、同年四月被告から同教員らに教諭の辞令を交付していることが認められるから、被告は期限付常勤講師と雇用期間の定めのない教諭を明確に区別し、期限付常勤講師については、一応一年間採用するものの、この期間は教員としての適性を判断するためのものであって、教諭としての再雇用については未確定にしていたのであり、再雇用を前提としていたとは認められない。他に原告が契約は当然に更新されると期待しうる事情もないから、本件契約は期間満了とともに終了したものと解さざるをえない。従って、正当理由がない限り更新拒絶は権利濫用として許されない旨の原告の主張は理由がない。 |