ID番号 | : | 03111 |
事件名 | : | 懲戒処分無効確認等請求控訴事件 |
いわゆる事件名 | : | 仙台中央電報局事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 交替制勤務体制をとる旧電々公社職員の年休の時季指定に対し、成田空港反対阻止闘争に参加することを阻止するため勤務割変更による代替者補充措置をとることを拒否したうえで時季変更権を行使したケースでその適法性が争われた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法39条4項(旧3項) |
体系項目 | : | 年休(民事) / 時季変更権 |
裁判年月日 | : | 1987年12月15日 |
裁判所名 | : | 仙台高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和60年 (ネ) 257 |
裁判結果 | : | 一部認容 |
出典 | : | 労働民例集38巻5・6合併号601頁/タイムズ668号148頁/労働判例509号12頁 |
審級関係 | : | 一審/06475/仙台地/昭60. 4.25/昭和53年(ワ)723号 |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔年休-時季変更権〕 右法の趣旨からすると、使用者は、たとえ勤務割上必要最少限度の人員しか配置されていない場合に年休の時季指定がなされたとしても、できる限り労働者が指定した時季に休暇をとることができるよう、代替勤務者の確保その他状況に応じた配慮をなすことが要請されており、そのような配慮をしてもなお事業の正常な運営が妨げられる場合にのみ時季変更権の行使をなしうるものである。 (中略) 前記のとおり、同被控訴人の年休時季指定は当日午前九時一八分頃なされたものであり、A課長らにおいて代替勤務者を確保しようにも、労使間の前記協約上当日の勤務割変更には本人の同意が必要であるだけでなく、当日日勤帯の勤務者は既に勤務についており、当日週休にあたる者は既に勤務を免除されていて、代替勤務者を確保することは客観的にみて困難な状況にあったものであるから、被控訴人Yの年休時季指定は、業務の正常な運営を妨げるものであり、A課長のした時季変更権の行使は、その要件を満たしているものというべきである |