ID番号 | : | 03151 |
事件名 | : | 損害賠償請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 航空自衛隊第五航空団事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 飛行訓練後、気象条件の悪化により他機の離陸のため進入が中断され、燃料切れのため墜落し死亡した場合につき、国の安全配慮義務違反があったとされた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 民法415条 |
体系項目 | : | 労働契約(民事) / 労働契約上の権利義務 / 安全配慮(保護)義務・使用者の責任 |
裁判年月日 | : | 1983年3月25日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和53年 (ワ) 9559 |
裁判結果 | : | 一部認容 |
出典 | : | 時報1085号67頁/タイムズ501号152頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労働契約-労働契約上の権利義務-安全配慮(保護)義務〕 1 国は、公務員が国もしくは上司の指示のもとに遂行する公務の管理にあたって、当該公務員の生命及び健康等を危険から保護するよう配慮すべき義務を負っていると言うべきであるが、右の義務の中に、本件のように航空自衛隊の飛行訓練に従事する航空自衛隊員に対しては、訓練機の飛行の安全を保持するために必要な措置をとり、飛行訓練を終えた訓練機が悪天候の中を飛行場に着陸しようとする場合、安全に着陸することができるよう適切な援助をする義務も含まれることはいうまでもない。 (中略) 6 以上によれば、Aは前記のような管制塔管制官及び地上指揮官らの安全配慮義務に違反した行為により、新田原飛行場に着陸する機会と、代替飛行場へ飛行する機会とのいずれをも失ったのであり、このことが本件事故発生の原因となっていることは明らかである。従って、原告らのその余の主張(緊急脱出指示義務違反)について判断するまでもなく、被告はAの被った損害について賠償責任を負うものと言うべきである。(なお、被告は右の緊急脱出の点に関し、Aは自ら早期に緊急脱出を決断すべきであったと主張する。そして、Aが事故機の墜落以前に緊急脱出していれば或いは死亡という最悪の事態を避け得たかも知れないのであるが、GCAとAとの交信がとだえた後の状況について判断する資料のない本件において、慰謝料額算定の事情として考慮するのはともかく、これをAの過失と認めるのは相当ではない。)。 |