ID番号 | : | 03169 |
事件名 | : | 損害賠償請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 川西港運事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 高血圧症の基礎疾病のあるフォークリフトの運転手が作業中に脳内出血により死亡した事故につき、使用者の安全配慮義務違反が問われた事例。 |
参照法条 | : | 民法415条 |
体系項目 | : | 労働契約(民事) / 労働契約上の権利義務 / 安全配慮(保護)義務・使用者の責任 |
裁判年月日 | : | 1983年10月21日 |
裁判所名 | : | 神戸地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和55年 (ワ) 667 |
裁判結果 | : | 一部認容(控訴) |
出典 | : | 時報1116号105頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 安西愈・労災職業病の企業責任〔労災職業病健康管理【1】〕278頁 |
判決理由 | : | 〔労働契約-労働契約上の権利義務-安全配慮(保護)義務〕 一般に雇用契約においては、使用者は労働者に対して、報酬支払の義務を負うほか、労働の場所・手段等を提供するに伴い、その一般的前提として労働が安全及び衛生の保持された状態の下で行なわれるように配慮し、労働者の生命・健康を危険から保護すべき義務を負うものであるが、この安全配慮義務は、労働安全衛生法等の法令に根拠を有する場合に限定されず、雇用契約に付随する当事者間の信義則上の義務として認められるものであるから、その具体的内容は当該労働環境や労働者個々の事情に応じて決せられるべきである。 そして被告は、医師による健康診断の結果光三が高血圧症で要治療状態にあることを知っていたのであるから、労働過程において同人の右症状を増悪させないよう、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮等の措置を講ずるほか、節酒を勧告するなど生活指導上の配慮をすべき義務があったものというべきである。 |