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ID番号 03174
事件名 教学権確認等請求事件
いわゆる事件名 関東学院大学事件
争点
事案概要  大学紛争に関連して除籍された学生の処分に抗議して二日間合計六時間の授業ボイコットを行ったこと、そのことに対する反省の文書の提出を拒否したことを理由とする大学助教授の解雇の効力が争われた事例。
参照法条 労働基準法2章
労働基準法89条1項3号
体系項目 労働契約(民事) / 労働契約上の権利義務 / 業務命令
解雇(民事) / 解雇事由 / 業務妨害
解雇(民事) / 解雇事由 / 業務命令違反
裁判年月日 1983年11月29日
裁判所名 横浜地
裁判形式 判決
事件番号 昭和48年 (ワ) 946 
裁判結果 一部認容
出典 タイムズ521号247頁
審級関係 控訴審/東京高/昭61.10.16/昭和58年(ネ)3196号
評釈論文
判決理由 〔労働契約-労働契約上の権利義務-自宅待機命令・出勤停止命令〕
 自宅研修期間を終了して原告を職場に復帰させる場合に従前の非違行為を反省して将来再び同様の非違行為を繰り返さないという趣旨の反省文書ないしは誓約書を提出させることは、原告の自宅研修の成果を一層実効あらしめるに役立つものとして当然許されて然るべき合理的な措置であり、学長の有する業務命令権の範囲内に属するものというべきである。
〔解雇-解雇事由-業務妨害〕
 原告の文書提出の命令に対する不服従を解雇事由とする本件解雇は権利濫用であるとの主張は理由がない。
〔解雇-解雇事由-業務命令違反〕
 確かに、原告を解雇することは原告を大学から放逐し研究、教授の場を失わしめることになり、場合によっては原告の研究者、教育者としての生命を断つ結果にもなりかねない虞れはあるけれども、以上述べてきた被告Y1大学における学園紛争の実情、紛争を終らせ学園の正常化を計った大学の努力、これに対する原告の行動、被告Y2らによる原告に対する反省を求める措置、これに対する原告の態度等諸般の事情を勘案すると、被告Y1大学による原告の解雇は誠にやむを得ないものであって、社会通念上著しく妥当性を欠くものということはできない。
 原告の解雇が妥当性を欠くことを理由とする解雇権濫用の主張も、失当として排斥を免れない。