ID番号 | : | 03184 |
事件名 | : | 仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 三和交通事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 私傷病休職の場合において三カ月の休職期間が満了したとき、なお休職事由が消滅しない場合には退職するとの就業規則の規定に基づいて自動退職扱いとされた労働者が、右退職扱いを無効として労働契約上の地位の確認について仮処分を申請した事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 労働基準法89条1項3号 |
体系項目 | : | 休職 / 休職の終了・満了 |
裁判年月日 | : | 1982年1月18日 |
裁判所名 | : | 札幌地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 昭和56年 (ヨ) 713 |
裁判結果 | : | 却下(抗告) |
出典 | : | 労働民例集33巻1号31頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 安枝英のぶ・季刊実務民事法1号272頁 |
判決理由 | : | 〔休職-休職の終了・満了〕 債権者は、右の私傷病休職の場合の休職期間満了による退職もいわゆる解雇にあたるとの考えを前提として、その主張をなしているので、ここで右の退職の性質を検討してみる。疎明資料によれば、本件の就業規則上、右の退職は、第三〇条の解雇とは別個に規定されていることが一応認められ、また、前記のとおり、右の退職については、休職期間が満了し、なお休職事由が消滅しないときは退職とする旨規定されていて、その効力発生のために特段の意思表示が要件とされているとは解されず、しかも、右の要件が充足された場合において、債務者に退職させるか否かを決定する裁量権が留保されているとも解しがたい。そして、右の退職に関する規定がそれ自体合理性を欠くものであるということはできず、また、疎明資料上、以上の解釈と異なる慣行が存在しているとまでは認めがたいので、結局、前記の私傷病休職の場合の休職期間満了による退職は、解雇ではなく、雇用契約の自動終了事由とみるべきものである。 |