全 情 報

ID番号 03194
事件名 懲戒免職処分取消請求事件
いわゆる事件名 横浜市交通事業管理者事件
争点
事案概要  バス乗務から行路表書換作業等に換えられた市営バス運転手が約一年八カ月にわたって欠勤したとして懲戒免職とされたことにつきその効力を争った事例。
参照法条 地方公務員法29条
体系項目 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒権の濫用
裁判年月日 1982年5月27日
裁判所名 横浜地
裁判形式 判決
事件番号 昭和54年 (行ウ) 13 
裁判結果 認容(控訴)
出典 時報1056号249頁/タイムズ475号164頁/労働判例389号31頁
審級関係
評釈論文 斎藤信行・地方公務員月報235号49頁
判決理由 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒権の濫用〕
 本件欠勤は形式的には無届欠勤であるが、欠勤の期間中、原告がしばしば緑営業所に出頭し、和解交渉に臨み、あるいは、再三にわたってバス乗務をさせるよう求めていたことは前記のとおりであり、更に、バス乗務員である原告が非組合員であるが故に、組合の妨害行為によって、バス乗務ができず、組合に再加入しない限り、出勤しても上司から代務を命ぜられるに過ぎない状況にあったというのであるから、かかる場合における欠勤は、無届のため職場の秩序に混乱を生じさせる一般の欠勤とはその性質が異なるものと解さざるをえない。そこで、以上認定の本件欠勤の原因、性質、本件処分に至る経緯等を総合勘案すると、本件欠勤が異常に長期のものであることを考慮に入れても、被告がこれにつき懲戒免職という重い処分をもってのぞんだのは苛酷に過ぎ、裁量権の範囲を著しく逸脱し濫用した違法なものであったというべきである。