ID番号 | : | 03198 |
事件名 | : | 損害賠償請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 石川島重工業・増山組事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 高炉建設工事の孫請会社が作業中に転落して重傷を負ったことにつき、元請会社、下請会社、孫請会社を相手どって損害賠償を請求した事例。 |
参照法条 | : | 民法415条 民法709条 民法717条 |
体系項目 | : | 労働契約(民事) / 労働契約上の権利義務 / 安全配慮(保護)義務・使用者の責任 |
裁判年月日 | : | 1982年9月14日 |
裁判所名 | : | 福岡地小倉支 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和51年 (ワ) 147 |
裁判結果 | : | 一部認容(控訴) |
出典 | : | 時報1066号126頁/タイムズ490号126頁/労経速報1136号17頁/労働判例399号55頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 古賀哲夫・法律時報55巻8号146頁 |
判決理由 | : | 〔労働契約-労働契約上の権利義務-安全配慮(保護)義務〕 一般の私法上の雇用契約においては、使用者は、労働者が給付する労務に関し指揮、監督の権能を有しており、右権能に基づき、所定の設備、器具、機械、作業場等の物的設備を指定した上、労働者をして特定の労務を給付させるものであるから、使用者としては、指揮、監督権能に付随する信義則上の義務として、労働者の労務給付過程において、物的設備から生じる危険が労働者の生命、身体、健康等に危害を及ぼさないようにこれを整備し、労働者の安全を配慮すべき義務(以下、「安全配慮義務」という)を負担するものと解するのが相当である。従って、被告Y会社は、原告Xを直接雇用する者として、同原告に対し、安全配慮義務を負担していたことは明らかであるが、右安全配慮義務は、前記のとおり指揮、監督権能に付随するものである以上、単に雇用契約の直接の当事者間のみに発生するというべきではなくある法律関係に基づいて、事実上雇用関係に類似する指揮、監督関係を生ずるに至った当事者間においても、これを認めるべき場合があるといわなければならない。 |