ID番号 | : | 03206 |
事件名 | : | 懲戒処分取消請求控訴事件 |
いわゆる事件名 | : | 東京営林局長事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 林野庁において二時間あまりの職場集会に参加し、職場復帰命令に従わなかったことを理由としてなされた現場作業員らに対する戒告処分の効力が争われた事例。 |
参照法条 | : | 国家公務員法82条1号 国家公務員法82条2号 公共企業体等労働関係法17条 |
体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒権の濫用 |
裁判年月日 | : | 1982年11月24日 |
裁判所名 | : | 東京高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和52年 (行コ) 33 |
裁判結果 | : | (確定) |
出典 | : | 労働民例集33巻6号1034頁 |
審級関係 | : | 一審/03394/甲府地/昭52. 4.27/昭和46年(行ウ)2号 |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒権の濫用〕 懲戒権者は、懲戒事由に該当すると認められる行為の原因、動機、性質、態様、結果、影響等のほか、当該公務員の右行為の前後における態度、懲戒処分等の処分歴、選択する処分が他の公務員及び社会に与える影響等、諸般の事情を考慮して、懲戒処分をすべきかどうか、また、懲戒処分をする場合にいかなる処分を選択すべきか、を決定することができるものと考えられる。その際、懲戒事由に該当すると認められる当該行為が争議行為自体又はそれと関連したものであるときは、当該行為者の個別的な事情のほか、争議行為時及び懲戒処分時の労使関係の状態等の具体的事情、右処分が労使関係ひいては国民全体に及ぼす影響なども考慮に入れることはその裁量権の範囲内にあるということができる。したがって、右の具体的事情及び影響の如何によっては、時期を異にする同じ程度・態様の非違行為に対する処分の有無又は選択された処分が相異したり、より重大な非違行為について処分がなされなかったり、比較的軽い処分で済まされたりしても、それが社会観念上著しく妥当を欠くものでないかぎりは、法律上許されることであって、これをもって裁量権を濫用した違法があるとすることはできない。前記(二)の昭和四八年から同五〇年春ころまでの争議行為についてその単純参加者に対しなんらの懲戒処分も行われなかったことには、前記のとおりの認定の理由があるので、これをもって、本件懲戒処分が裁量権を濫用した違法があるということはできない。 |