ID番号 | : | 03225 |
事件名 | : | 地位保全等仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 合資会社宮原酸素店事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 就業規則に定年延長規定がおかれていたケースで延長拒否が不当労働行為か否かが争われた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法15条 労働基準法106条1項 労働基準法89条1項3号 |
体系項目 | : | 退職 / 定年・再雇用 就業規則(民事) / 就業規則の周知 労働契約(民事) / 労働条件明示 |
裁判年月日 | : | 1981年5月14日 |
裁判所名 | : | 長野地上田支 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和56年 (ヨ) 1 |
裁判結果 | : | 一部認容(控訴) |
出典 | : | 時報1013号130頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 秋田成就・判例評論278号47頁 |
判決理由 | : | 〔労働契約-労働条件明示〕 〔就業規則-就業規則の周知〕 労働基準法一五条一項の労働条件の明示義務を使用者が尽さなかったとしても右就業規則が無効になるいわれはないし、同法一〇六条一項の就業規則の周知義務を使用者が尽していないとしても、その効力に直接の影響を及ぼすものではない。 〔退職-定年・再雇用〕 就業規則一九条但書は「会社が必要と認めたときは…定年を延長する。」と規定しているところ、被申請人は、この点につき、特に業務上の必要性を斟酌して決定する旨主張するが、《証拠略》によると、被申請人は、Aの右定年延長に際し、同人について改めて審査したことはなく、単に、口調で定年延長する旨同人に告知したにすぎないこと、被申請人の営業部長であったBやAは、被申請人では、健康で真面目に働いていれば定年後も勤続できると考えていたこと、申請人は、被申請人に入社する時、満五一才になろうとする年令であったが、入社に際し、被申請人から五五才定年制の説明を全く受けなかったこと、被申請人は、採用時既に満五八才に達していたCを、臨時として昭和五一年から昭和五三年にかけて雇用し、申請人と同じ充填作業に従事させていたことが認められ(《証拠判断略》)、右事実に就業規則一九条但書が「必要と認めたときは」とだけしか規定していないことを併せ勘案すると、被申請人では、実際には主に健康と勤務成績との二点につき考慮して定年を延長するかどうかを決定する扱いであると認められ(る)。 |