ID番号 | : | 03229 |
事件名 | : | 地位確認等請求控訴 |
いわゆる事件名 | : | 慈恵大学事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 看護婦として大学附属病院に雇傭された者に対し、中央滅菌材料室勤務を命ずる配転命令は雇傭契約に違反しないとした事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 民法623条 |
体系項目 | : | 配転・出向・転籍・派遣 / 配転命令の根拠 |
裁判年月日 | : | 1981年7月28日 |
裁判所名 | : | 東京高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和54年 (ネ) 1134 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 東高民時報32巻7号174頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔配転・出向・転籍・派遣-配転命令の根拠〕 そして、以上のような中材室の沿革、所管事務内容等に照せば、中材室には看護婦業務があることが認められるほか、被控訴人附属病院以外の総合病院にあっても、婦長又は主任以外の看護婦をその「中央滅菌材料室」に配置することが特約なしに看護婦の雇傭契約上別段の取扱いを要する事項とされている事跡が認められないところからすると、被控訴人附属病院において、看護婦として雇傭された者を中材室に配置することが、控訴人主張のような職種変更に係るものとは認め難い。また、これは、控訴人のようにすでに四年間にわたり病院の他の部門において看護婦の業務に従事してきた者の場合であっても、同様である。この場合、病院ならずとも、多くの職域において、職員が他の部門に配置換えになった場合、当初その職場において輩下に相当する者からも仕事の説明を受け、これを学ぶことが多々あると推認されるので、控訴人が中材室に勤務するようになってから、具体的な仕事の説明をそこの看護助手等から受けたということ自体は、特に異とするに足りず、右認定判断を左右する資料とはならない。 以上の次第で、中材室の業務には看護婦としての業務があり、他に控訴人と被控訴人との間に雇傭契約上就労部門に関する別段の約定があるとの主張、立証もないので、控訴人にその同意を得ないで中材室勤務を命じた本件配転命令の意思表示を、控訴人、被控訴人間の雇傭契約に違反する無効のものとすることはできない。 |