ID番号 | : | 03247 |
事件名 | : | 仮処分異議事件 |
いわゆる事件名 | : | アルケン工業事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 配転命令拒否を理由とする解雇につき、就業規則所定の懲戒解雇事由に該当する行為を理由とする普通解雇が有効であるためには、懲戒解雇事由に該当する行為の存在が必要とした事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項3号 労働基準法89条1項9号 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 解雇事由 / 懲戒解雇事由に基づく普通解雇 |
裁判年月日 | : | 1980年3月13日 |
裁判所名 | : | 神戸地尼崎支 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和50年 (モ) 317 |
裁判結果 | : | 原決定認可 |
出典 | : | 労働判例338号47頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔解雇-解雇事由-懲戒解雇事由に基づく普通解雇〕 ところで本件解雇は、債務者において、債権者に就業規則所定の懲戒事由に該当する行為があり、本来ならば債権者を懲戒解雇すべきものであったが、債権者の将来を考慮して、同規則一五条三号の「業務上止むを得ない事由があるとき」に該当するものとして、債権者を普通解雇したものであることは、債務者の自陳するところであり、他に特段の資料もないから、本件解雇の実質は、あくまでも懲戒解雇であったものということができる。そうとすれば、本件解雇が有効とされるためには、債権者に懲戒解雇事由に該当する行為のあることが必要である。 (中略) 右認定事実によれば、債権者と会社との間の雇用契約では、契約の内容として、職種、勤務場所等は特に定めなかったというべきであるから、このような場合債権者は、自己の労働力の使用を包括的に会社に委ねたものであり、原則として、会社は労働指揮権の行使として、一方的意思表示により債権者に配転を命じることができると解するのが相当である。したがって、債権者が配転命令を拒否することは業務命令違反として、特別の無効事由ある場合を除けば、就業規則三九条一二号所定の懲戒事由に該当することになる。 |