ID番号 | : | 03269 |
事件名 | : | 地位保全仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 日本テレビ放送網事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | プロ野球A選手の移籍に関連して不当な言動をとった放送会社のプロデューサーに対する解雇の効力が争われた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項3号 労働基準法2章 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 解雇事由 / 名誉・信用失墜 |
裁判年月日 | : | 1980年9月10日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 昭和54年 (ヨ) 2372 |
裁判結果 | : | 却下 |
出典 | : | 時報994号108頁/労経速報1061号18頁/労働判例348号14頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔解雇-解雇事由-名誉・信用失墜〕 被申請人会社は、申請人に対する本件解雇の理由として、申請人が、いわゆるA投手のトレード問題に関与して行なった数々の不当な言動を総合判断すると、その言動は、被申請人会社の従業員として、自ら会社との間の信頼関係を毀損する行為であり、その行為は、会社に対して信義に違背する行為に出ないという義務にそむき従業員としての適格性を欠くものである。そして、その所為は、会社の就業規則第四五条第一〇号に規定する「その他やむを得ない事情が生じたとき」に該当するものであるとして、本件解雇の通告をなしたものである。 (中略) 申請人が、A投手の移籍の問題に関して、申請人の上司であるB報道局長およびC局長らに対してとった言動は、被申請人会社とD球団との密接な関係からすると、被申請人会社の従業員としては、穏当さを欠いた所為と評価されても止むを得ないというべきであり、更に、山本弁護士との会談における言動も、A投手から交渉の権限を授与されての行動であったとしても、その所為中、会社に対して、自己の昇進を要求すること等は、通常の従業員としては、常軌を逸した行為と評価されても止むを得ないというべきである。しかも、その後の被申請人会社が申請人に対してとった措置についても、申請人は、自分の非を全く認めていない。そのような申請人の態度からすると、その言動には、申請人自らが、会社との信頼関係を毀損するようなところが認められると評価されても止むを得ないというべきである。そうすると、右の申請人の言動を総合的に判断して、被申請人会社が、申請人に対して通常解雇に価するものとして、本件解雇の通告をなしたのも止むを得ないというべきである。 |