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ID番号 03273
事件名 損害賠償請求事件
いわゆる事件名 大川産業事件
争点
事案概要  被告に雇用されてビルの管理にあたりビル一階管理人室に住み込んでいた労働者が地下変電室から流れこむ空気によってPCB中毒にかかったとして損害賠償を請求した事例。
参照法条 労働基準法2章
民法415条
体系項目 労働契約(民事) / 労働契約上の権利義務 / 安全配慮(保護)義務・使用者の責任
裁判年月日 1980年10月21日
裁判所名 大阪地
裁判形式 判決
事件番号 昭和51年 (ワ) 3359 
裁判結果 一部認容・棄却(確定)
出典 時報1001号89頁/タイムズ431号140頁/労働判例358号14頁
審級関係
評釈論文 井上浩・労働判例358号12頁/須藤英章・労災職業病の企業責任〔労災職業病健康管理【1】〕137頁
判決理由 〔労働契約-労働契約上の権利義務-安全配慮(保護)義務〕
 被告は、原告らを本件ビルの住み込みの管理人として雇傭したものであり、原告らの健康に危険が生じないような労働環境を保全すべき労働契約上の義務を負うものと解せられるところ、前認定の二、(3)および四、(5)の事実、《証拠略》によると、原告が被告に対し昭和四二年頃より地下変電室の変圧器から臭気が発生することを訴え、その善処方を要望していたにもかかわらず、これを放置し、昭和四三年九月、一〇月になって漸く地下変電室の変圧器の絶縁油の入れ替えおよび換気扇等の取り替え工事を行ったに過ぎず、そのため、原告がPCB中毒に罹患し、あるいはその症状が増悪したことが認められるから(右認定を左右する証拠はない)、被告において右労働契約上の義務に違反していることとなり、その余の点につき判断するまでもなく、被告は原告に対し、その蒙った後記損害を賠償する責任がある。