ID番号 | : | 03282 |
事件名 | : | 損害賠償請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 黒崎産業事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 移動式クレーンによる金属スクラップ積込作業中の左目等負傷事故につき、下請業者および元請業者の双方に安全配慮義務違反があるとして損害賠償請求を認容した事例。 |
参照法条 | : | 民法415条 労働基準法2章 |
体系項目 | : | 労働契約(民事) / 労働契約上の権利義務 / 安全配慮(保護)義務・使用者の責任 |
裁判年月日 | : | 1979年2月16日 |
裁判所名 | : | 神戸地尼崎支 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和50年 (ワ) 79 |
裁判結果 | : | 一部認容・棄却(確定) |
出典 | : | 時報941号84頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労働契約-労働契約上の権利義務-安全配慮(保護)義務〕 2、そうすると、被告Y1は、事業者として、前記認定のような安全保護義務の不完全履行があったものというべきであり、被告Y2会社は、同Y1の商号続用の営業譲受人として、被告Y1の右債務不履行責任を同被告と重畳的に負うものといわなければならない。被告Y3会社は、事業者に該るものということはできないが、その作業所構内において、前叙のように被告Y1に下請させている関係にあって、同一の作業場での元請負人としての作業の分担、実施の状況からすれば、元方事業者として、前記認定の安全衛生法規の違反につき関係請負人の労働者に対し必要な指導、指示を行うべきであるのに(労働安全衛生法二九条)、右指導、指示をしなかったこと、また、特定元方事業者としても、労働災害を防止するために定期的な協議組織の設置、開催等の措置を講ずべきであるのに(同法三〇条)、右措置をとらなかったことが前示各証拠によって認められるから、安全保護義務の不完全履行があったものというべきである。したがって、被告らは各自、右債務不履行によって原告に生じた損害を賠償すべき義務がある。 |