ID番号 | : | 03294 |
事件名 | : | 損害賠償請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 海上自衛隊大村航空隊事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 海上自衛隊所属の飛行機墜落による死亡事故につき、国に安全配慮義務違反があるとして損害賠償請求を認容した事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 民法415条 |
体系項目 | : | 労働契約(民事) / 労働契約上の権利義務 / 安全配慮(保護)義務・使用者の責任 |
裁判年月日 | : | 1979年4月23日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和50年 (ワ) 4747 |
裁判結果 | : | 一部認容・棄却(控訴) |
出典 | : | 訟務月報25巻8号2096頁 |
審級関係 | : | 控訴審/東京高/ . ./昭和54年(ネ)1186号 |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労働契約-労働契約上の権利義務-安全配慮(保護)義務〕 本件訓練を指揮する第二航空群司令は、その実施に先立ち、予め、本件訓練実施大綱を事故機が所属する大村航空隊司令に連絡し、右司令間で、一般的調整をはかったものの、本件訓練海域の海域別における機種の選定、各機種に応じた捜索方法の採用、あるいは、本件訓練海域における襟裳レーダーサイト・電波航法機器・塔載レーダーの性能の限界等に対する個別的指示等について具体的な調整がなされず、かつ、事故機がP2V型機に比べ本件訓練のような夜間航法に慣熟しておらず、A機長は洋上の相当高度な航法を必要とする訓練ではしばしば他の有能な航法員の同乗を仰いでいたにも拘らず、大村航空隊司令において、事故機塔乗員の航法能力を十分具体的に考慮しないで、漫然と、A機長を含む七名の大村航空隊員を八戸に派遣し、第二航空群司令としても、それをそのまま受け入れて本件訓練に事故機を参加させ、単に三〇分ごとの位置通報義務を課したにとどまり、何ら異なった配慮をせずに訓練計画を実施したことにより、当時予想された風速、風向と異なった風が、本件訓練海域において発生していた気象条件が重なって、事故機が機位を誤認する過失を誘発し、これが事故原因になったものというべきであるから、被告は前記安全配慮義務不履行の責任は免れがたい。 |