全 情 報

ID番号 03325
事件名 給料等本訴請求事件/貸金等反訴請求事件
いわゆる事件名 クラブ「やまと」事件
争点
事案概要  顧客から支払われた代金の二分の一を報酬とするクラブホステスにつき、労基法九条および最低賃金法五条にいう労働者に該当するとして、最低賃金額の支払いを命じた事例。
参照法条 労働基準法9条
最低賃金法5条
体系項目 労基法の基本原則(民事) / 労働者 / クラブホステス
裁判年月日 1979年12月21日
裁判所名 東京地
裁判形式 判決
事件番号 昭和53年 (ワ) 1601 
昭和53年 (ワ) 5474 
裁判結果 一部認容
出典 労働判例335号59頁/労経速報1043号17頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔労基法の基本原則-労働者-クラブホステス〕
 ところで、前記純売入金制の合意は、その(二)において、被告は原告に対し、最低報酬額の支払義務を負わないものとする合意を含んでいるが、右合意は、次の理由により、最低賃金法五条に牴触し、同条二項により修正を受けるものと解される。すなわち、右のような報酬の支払方法の変更は、原告が労働基準法九条にいう「労働者」であり、被告が同法一〇条にいう「使用者」であり、被告から原告に支払われる報酬が同法一一条にいう「賃金」であることの実質をまで失わせるものではないから、最低賃金法二条に従い、原告は、なお同法五条にいう「最低賃金の適用を受ける労働者」に該当するものと解され、従って、原被告間の前記合意も、「最低賃金の適用を受ける労働者と使用者との間の労働契約で最低賃金額に達しない賃金を定めるもの」に該当するから、被告は原告に対し、同法一七条によって労働大臣または都道府県労働基準局長が公示した最低賃金に関する決定に従い、最低賃金額相当の報酬を支払う義務があるものというべきである。