ID番号 | : | 03359 |
事件名 | : | 配置転換処分取消請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 東京町田市事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 市立病院の常勤医師に対して医療行政の充実、病院運営の円滑化等を理由として行なった市民部健康課への配転命令の効力が争われた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 |
体系項目 | : | 配転・出向・転籍・派遣 / 配転命令権の限界 |
裁判年月日 | : | 1978年7月18日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和51年 (行ウ) 40 |
裁判結果 | : | (確定) |
出典 | : | 行裁例集29巻7号1273頁/時報916号88頁/労働判例302号45頁/労経速報993号3頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 石津広司・公務員関係判例研究21号32頁 |
判決理由 | : | 〔配転・出向・転籍・派遣-配転命令権の限界〕 このように、原告ら常勤医師が医師評議会の名のもとにとつた言動に相当性を認め得ないとはいえ、この点につき医師のみを責め得ない事情があるうえ、原告が同会議長として指導的役割を担つてきたとしても、同会は一四名の医師による少数者の集団であり、証人Aの証言及び原告本人尋問の結果により認められるように、同会は構成員である常勤医師全員の討議を基礎に行動してきたのであるから、同会の言動及びこれによりもたらされた病院運営への影響の責任を挙げて原告のみに負わせることは妥当とはいいがたく、また、それ以外に病院運営の円滑化を回復する手段がなかつたとも断定できない。 そして、何よりも既に述べたように本件処分が臨床医である原告から臨床の場を失わせる結果をもたらすこととを対比して考えれば、いかに病院運営の円滑化のためとはいえ、既に認定したような事実関係のもとにあつて、原告がこのような結果を忍ぶことを余儀なくされる本件処分を発することは、処分権者に与えられた裁量権の範囲を逸脱するものと認めざるを得ない。 |