ID番号 | : | 03360 |
事件名 | : | 損害賠償請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 陸上自衛隊第一〇二輸送大隊事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | トラックの操縦教育訓練を受けていた自衛隊員が中央線を越えて追越した際に対向車両を認め急に左にハンドルを切ったためスリップして道路下に転落して同乗者が死亡した事故について、国の安全配慮義務違反が問われた事例。 |
参照法条 | : | 民法415条 |
体系項目 | : | 労働契約(民事) / 労働契約上の権利義務 / 安全配慮(保護)義務・使用者の責任 |
裁判年月日 | : | 1978年7月20日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和50年 (ワ) 4636 |
裁判結果 | : | 棄却(控訴) |
出典 | : | タイムズ381号143頁/訟務月報24巻9号1737頁 |
審級関係 | : | 控訴審/東京高/ . ./昭和53年(ネ)1953号 |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労働契約-労働契約上の権利義務-安全配慮(保護)義務〕 被告が、公務を遂行する国家公務員に対し安全配慮義務を負つていることは右のとおり被告の認めるところであるが、被告の右義務は公務の管理に関してであり、それは人的物的設備及び勤務条件等を支配管理していることにもとづくものというべく、したがつて履行補助者の範囲も右管理業務に従事している者に限られ、管理を受けて単に公務に従事している者は除かれると解するのが相当であり、本件の如き事案においては、訓練教育の計画、決定、その実施にあたつての指揮、監督及び指導にあたる者が履行補助者であつて、訓練教育を受けるにすぎない者は履行補助者にあたらないものというべきである。 そうだとするならば、前記のように、本件訓練教育の対象者として参加を命ぜられ、被教育者として単に本件事故時に車両を運転していたにすぎないA二士は被告の安全配慮義務についての履行補助者にあたらないものといわざるを得ない。 |