ID番号 | : | 03369 |
事件名 | : | 損害賠償請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 陸上自衛隊第三三一会計隊事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 自衛隊隊長の運転する自衛隊車両がスリップして対向車線に進入して対向車両と衝突して同乗の隊員が死亡した事故につき国の安全配慮義務違反の責任が問われた事例。 |
参照法条 | : | 民法415条 |
体系項目 | : | 労働契約(民事) / 労働契約上の権利義務 / 安全配慮(保護)義務・使用者の責任 |
裁判年月日 | : | 1978年9月5日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和50年 (ワ) 5462 |
裁判結果 | : | 一部認容・棄却(控訴) |
出典 | : | 時報920号156頁 |
審級関係 | : | 上告審/03160/最高二小/昭58. 5.27/昭和55年(オ)579号 |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労働契約-労働契約上の権利義務-安全配慮(保護)義務〕 被告国が一般的に公務遂行のために設置すべき施設若しくは器具等の設置管理にあたって、公務員の生命及び健康等を危険から保護するよう配慮すべき、いわゆる安全配慮義務を負っていることは当事者間に争いのないところであるが、被告の右義務は被告が公務の執行のための人的物的設備及び勤務条件等を支配管理していることに由来するものというべく、従って本来の職務権限ないしは上司の命を受けて右支配管理の業務に従事している者は被告の右安全配慮義務の履行についての履行補助者にあたるものと解するのが相当である。 前記認定事実によると、A一尉は会計隊長としてその部下である亡Bに教育準備として、車両操縦の実地見学をさせる等のため同乗を命じ、車両運転を指導教育していたのであるから、亡Bに運転させ、かたわらで指導教育をしていた場合と同視することができ、従ってA一尉は事故当時亡Bの上司として支配管理の業務に従事し被告の安全配慮義務の履行補助者として亡Bの生命及び健康を危険から保護するよう配慮すべき義務を負っていたものというべきである。 |